実験開始直前に「REACT(反応する)」と「ACCEPT(受け入れる)」という2種類の感情調節の方法を教示し、ネガティブな写真とニュートラルな写真を見ている時の脳活動を比較した研究があります。
REACTではいつも通りに反応するように、ACCEPT ではAwareness (今この瞬間の体験に気付くこと)と、Non-judgemental acceptance(ありのままの感覚を評価せず受け入れること)によって、反応したり回避したりするのではなくそのまま受容することが教示されました。このAwarenessとNon-judgemental acceptanceはマインドフルネスの構成要素で、この研究ではネガティブな情動刺激に対するマインドフルな関わり方とそうでない一般的な関わり方でどのような違いがあるかを検討したというわけです。
結果は、まず主観的評価ではネガティブな写真とニュートラルな写真の両方で、ACCEPTの方がREACTより感情のネガティブ度合いが低いことが示されました。
また、脳活動を比較すると、REACTと比べてACCEPTの時ので右の扁桃体の活動が低いことが示されました。
これらの結果は、同じネガティブな刺激にさらされても、その刺激との関わり方を変えることで主観的な情動体験が変わること、反射的に反応したり回避したりするのではなく、ありのままに受け入れることが効果的な感情調節に繋がることを示唆しています。
出典:Let it be: mindful acceptance down-regulates pain and negative emotion

