瞑想時間と脳の関係

瞑想実践時間と注意維持に関わる脳領域の活動に関して興味深い結果を示した研究があります。

この研究では、瞑想をした経験のない一般の参加者と、瞑想実践を重ねてきた仏教僧侶の脳をfMRIを使って調べました。予想通り、一般の参加者に比べて瞑想実践者である仏教僧侶は注意維持に関連する脳領域の活動が高かったのですが、面白いことに、瞑想時間が44,000時間を超える僧侶では、同じ脳領域の活動が弱いという結果が示されました。

これは注意維持と瞑想実践時間は逆U字の関係にあることを示していて、言語学習やピアノやジャグリングなどのスキルの獲得などで認められる学習曲線と類似しています。

この結果は、非瞑想実践者に比べて瞑想実践者では、注意維持に関連する脳領域がよく働いているけれど、さらに瞑想実践が進んでくると、ある地点で脳活動は下がりはじめ、同じパフォーマンスをより少ないエネルギーで出来るようになることを示唆しています。効率化が進むと言い換えてもいいかもしれません。

参考文献:Neural correlates of attentional expertise in long-term meditation practitioners