GRACEプログラムの2日目を終えました。今日もとても充実した濃い時間をすごさせて頂きました。1日目同様に多くを学びましたが、あえて1つ選ぶなら”知ったつもりにならない (Not knowing)“ということが、カウンセリングを始め普段のコミュニケーションを含めて深い気付きを与えてくれました。
”知ったつもりにならない (Not knowing)”は、Joanの著書「コンパッション:状況に飲み込まれずに必要な変容を導く共にいる力」の中にも、勇気ある利他性の3つの基盤の一つとして紹介されています。
本を読んでいたので少しは理解しているつもりでしたが、やはり直接話しを聞かせ頂いたり、その本質を体験的に理解できるワークを通じて気付いたのは、どれだけ自分がカウンセリングに来られる患者さんのことを専門家としての知識を通して見ていたか(知ったつもりになっていたか)ということでした。
ありのままのその人を見ているつもりでも、専門的な知識を学べば学ぶほど、自分の脳が作る予測モデルから自由になることが難しくなります。だからこそ、”私は知らない (I don’t know)” ということにしっかりと気付いていることが必要なのだと思います。
目の前にいる人が本当に求めていることは何か、その人が本当に私に伝えようとしていることは何か、その人はどれくらい私を信頼してくれているか、その他多くの貴重な質問に対して、私はまだそれを知らないという姿勢で、これまでの経験や専門知識を少し横に置いてオープンな心で対話する重要性に気付かされました。それと同時に自分のこれまでの臨床姿勢に対して反省せずにはいられませんでした。
昨日書いた自分の体に立ち寄ることの大切さがより強調された気がします。今日から専門家という見えない壁を壊していきます。