はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる
ジョン・ドライデン
私たちの日々の行動の多くは習慣によって支えられています。食べる、寝る、歯を磨く、お風呂に入るといった基本的なことから、コーヒーを飲む、間食をする、日記を書く、スマホを見る、メールチェックをする、ツイッターに投稿する、facebookのいいねボタンを押す、本を読む、運動するなど、習慣は数え上がればきりがありません。
これらの習慣の中には、良い習慣もあれば、本当は辞めたいのに辞められない習慣もあるでしょう。辞めたいのに辞められない習慣をなんとかしたい時、一つの方法は、本当は取り入れたいと思っている新しい習慣を作ることです。
しかし、新しい習慣を作るのもこれまた一苦労です、そのときのコツは、毎日続けられる極めて少ない量から始めるとこです。
“Standardize before you optimize“
James Clear
「最適化する前に標準化する」
新しい習慣を作ろうと意気込んでいる時、私たちは初めから最適な行動習慣を獲得しようとしてしまいます。例えば、運動したいと思い立った時、週に3日はジムに行ってストレッチと筋トレ、ランニングをすることを目標に掲げたりします。意気込みがある最初は良いのですがその内、今日はちょっと疲れたから・・・、明日は忙しい1日だから今日はちょっと明日に備えて・・・、なんだか体調が悪い感じがする・・・、気分が乗らないから・・・、とやがて行かなくなるでしょう。これは、最適な行動にいきなり飛びつくことによって、行動の標準化が犠牲になっている例です。
私たちが優先すべきは、毎日それをやるのが当たり前の状態を作ることです。運動習慣を身に付けたい場合、例えばまず、「家でお風呂に入った後、リビングで前屈をしながら10数える」といったような極めて簡単な行動から始めます。2週間もすれば、何も考えなくてもお風呂から上がってリビングに座るという状況がトリガーになって、勝手に体が前屈の姿勢を取るようになります。こうなったらしめたもの。数える数字を10から20、20から30へと増やしたり、前屈の後に開脚前屈をプラスする、それもできるようになったら、立ち上がってアキレス腱伸ばしをプラスといった具合に、少しずつ緩やかな傾斜で負荷を増やして行きます。毎日やっていれば、体も少し柔らかくなってストレッチをするが楽しくなるでしょう。標準化された行動の一番の利点は、その行動の成否が意思の力に依存しない点です。
あなたが今取り入れたいと思っている良い習慣は何ですか?その習慣に関して極めて簡単に短い時間で出来ることは何ですか?そしてそれはいつ出来ますか?それが決まったら、今日から毎日決まった時間に(または決まったタイミングで)やってみて下さい。
参考文献
- ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 by ジェームズ クリアー