先日5日間のマインドフルネスサイレントリトリート(オンライン)に参加しました。45分の静座瞑想と45分の歩く瞑想を淡々と繰り返していくものだったのですが、このリトリートはアメリカの東海岸にある機関が提供していたので、時差の関係で私は5日間、夜10時から朝10時までこのプログラムを受けました。
このリトリートの始めにファシリテーターが、こんな言葉を紹介してくれました。
“If you go first, go alone
If you go far, go together”
「早く行くなら一人で行きなさい
遠くに行くならみんなで行きなさい」
最初は、なるほどなという程度であまり深く考えていなかったのですが、3日、4日とリトリートが進むにつれて、その言葉の深さをしみじみと感じるようになりました。静座瞑想と歩く瞑想を45分単位で繰り返すのは、想像していた以上に苦しい体験で、あー、腰痛い!動きたい!イライラするー!もう無理かも、他のみんなはちゃんとやってるのに自分はできていない、情けない、逃げ出したい、get me out of here!!!といったネガティブな考えや感情に圧倒されることが多々ありました。
でもある時、歩く瞑想中にふと、アメリカ、カナダ、チリ、ウグルアイ、アルゼンチン、香港など世界各地からの参加者の顔が思い浮かんで、「あの人たちも今歩いている。この広い世界のどこかの街で、あの人たちも今、この瞬間も歩いているだ。」と思った途端目頭が熱くなると同時に胸が温かくなるのを感じました。
「一人で歩いてるんじゃない。みんなで歩いてるんだ。」
そのことに気づいたことがどんなに支えになったことか。私はこの経験から、困難なことを成し遂げたいなら、自分以外の人の存在が必要だということを学びました。
ただ、これはなんでもかんでも誰かと一緒にやりなさいということではなく、状況に応じて選ぶということだと思います。誰かと群れることなく一人で前進することの方が必要な時もあります。大事なことは、「一人で行くこと」、「みんなで行くこと」を意図的に選べる自由を持つことだと思います。